光触媒について

光触媒とは

光触媒酸化チタンのはたらきや安全性などについてご紹介します。

光触媒画像1
光触媒のしくみ

570光触媒で未来を造ります

光触媒とは、光をエネルギーとして物質に科学変化を起こさせる媒体すなわち触媒です。自然界では、植物の葉緑素による光合成が、光触媒です。葉緑素は、光をエネルギーとして化学変化を起こさせ、二酸化炭素と水から、デンプンと酸素を作り出します。光触媒反応を起こす物質としてポピュラーなのが酸化チタン(Tio2)です。酸化チタン自体は、光触媒反応を作り出しても減る事がありません。表面に光エネルギーを受けると強力な酸化還元反応を起こし、接触する有機物、雑菌などを二酸化炭素と水に分解し無害化してしまいます。

光触媒反応を起こす素材としての酸化チタンは、白色の顔料や食品添加物として使われる 極めて安定した物質です。紫外線を吸収する事から、化粧品などに使われています。酸化チタンの表面に光エネルギーが当たると、空気中の水分と酸素と反応し、OHラジカルなど の活性酸素を発生させます。 このOHラジカルは強力な酸化分解力を持ち、シックハウスの原因物質であるVOCなどの有機物や雑菌、インフルエンザウイルスなどを二酸化炭素と水に分解し、無害化します。

OHラジカルは、
消毒、殺菌などに使われる塩素、次亜塩素酸などより
はるかに強い力で、環境浄化を行います。

酸化剤OHラジカル酸素原子オゾン過酸化水素(オキシドール)次亜塩素酸塩素
酸化力(Volts)2.802.422.071.771.491.36

可視光応答型光触媒の登場

酸化チタンだけでは触媒反応が起きない

酸化チタンその物が光触媒反応を起こすには紫外線が必要でした。紫外線の入らないUVカットガラスの室内や窓の無い居室での光触媒反応は絶望的でした。
そこで、可視光領域(人間の目に見える光の波長)で光触媒反応がおこる数々の改良が加えられて来ました。

本格的可視光応答型光触媒の登場

酸化チタンの分子構造に「何か」を加える事により、可視光領域での触媒反応を起こす研究が続きました。窒素、銀、プラチナなどです。
それでも充分な可視光領域に届く事が出来ませんでした。そこで登場したのが、(独)産業技術総合研究所の「鉄ドープ酸化チタン」です。
可視光領域のちょうど中間にとなる570ナノメートルで反応し、従来品に比べ、蛍光灯下で5.9倍に効果が向上しました。

光の波長分布

酸化チタンの弱点を克服

光触媒は、有機物を分解するため、定着させる機材そのものを分解してしまう欠点がありました。屋外のトタンに手で触ると「白い粉」が付きますが、これがチョーキングと言ってトタンの塗料が 酸化分解された結果です。そこで、(独)産業技術総合研究所は、鉄型酸化チタンにアパタイト(カルシウムを被覆させる事)に成功し、コーティング面に直接酸化チタンが触れない事で、定着面の劣化を防ぐ事が出来るようになりました。

酸化チタン